サイトウ サヨ
  斎藤 彩世   文学部 英文学科   専任講師
■ 標題
  Physical Contact and Homosexuality in The Spoils of Poynton
■ 概要
  『ポイントンの収集品』はヘンリー・ジェイムズが1896年に書いた財産をめぐる物語である。先行研究ではフリーダ・ヴェッチとオーウェン・ゲレスの異性愛や、男性と女性の戦いなどに焦点が当てられているが、本作品に描かれているのは当時の同性愛者の苦悩である。フリーダと彼女のパトロンであるアデラ・ゲレスは無自覚な同性愛者であることが、身体的接触の描写を追っていくことで明らかになる。当時の審美家の多くは同性愛的な傾向があり、彼らが重視した「美術品に触れ相手の感覚を通して作品を理解する行為」をフリーダとゲレス夫人が行っているし、二人には支配的な接触を好むという共通の嗜好も見られる。こうした身体的接触の観点から本論では、二人がいかに同性愛を抱いているか、それを意識できず苦しんでいるかを考察した。
[p18]
   単著   『フォーラム』   日本ナサニエル・ホーソーン協会   19号   pp.35-53   2014/03