イトウ シンイチロウ
  伊藤 新一郎   社会福祉学部 福祉計画学科   教授
■ 標題
  「福祉国家論」の脱構築―新たな理論枠組みの試行的構想―
■ 概要
  本稿は、デリダによる「脱構築」の観点から、「福祉国家論」をメタ的に論じ、福祉国家の新たな論じ方についての検討に向けた整理を行ったものである。プラトン哲学を起源とする西洋哲学は、「プラトン主義形而上学」とも言えるものであるが、その特徴は諸概念の二項対立、諸価値の二項対立という「階層秩序的二項対立」という二元論的分割に依拠した現象理解を基本とするが、デリダはこのような枠組みについて「脱構築」することを試みた。この理論的枠組みを福祉国家論に適用し、「福祉国家論」の特質を浮き彫りにした上で、それとは異なる福祉国家の論じ方(戦争国家の痕跡としての福祉国家)について言及し、新たに「支配-権力」という視点から、福祉国家を考察することで新しい論じ方の可能性が拓けることを述べた。
   単著   北星論集   北星学園大学   pp.103-117   2011/03