カザト マリ
  風戸 真理   短期大学部 生活創造学科   専任講師
■ 標題
  序―装いの人類学に向けて―審美性への着目から
■ 概要
  近年、ファッション、装い(dress)をめぐる人類学・社会学の領域では、主に、グローバルに広がる生産・流通・消費、または社会秩序とアイデンティティによって、ファッションや装いが規定され、変容すると論じてきた。しかし、それだけなのであろうか。装いにおける美しさへの希求や装うことそれ自体の快楽が見落とされているのではないだろうか。そこで本特集では、なぜ人は着飾るのか、なぜ特定の装いが選好されるのかについて考察した。そのため装いを、単に布状のものでできた衣服だけでなく、広く人が文化・社会的規範に則って身体上に表現していることとして捉えた。そして、インドネシア、西シベリア、カメルーン、日本という全く異なる地域の、信仰に基づいた装い、生業に結びついた装い、身体装飾を事例に取り上げ、装いにおける美しさへの希求や装うことそれ自体の快楽が、装いをつくりあげていることを明らかにした。本特集は、これまでの装いをめぐる人類学が見過ごしてきた審美性と快楽という価値を主題にすえて多様な視角から文化比較的なアプローチをとることで、新たな装いの人類学の地平を切り開くことを目的とする。
   共著   コンタクト・ゾーン   京都大学大学院人間・環境学研究科   pp.264-278   2017/12