ダイボウ イクオ
  大坊 郁夫   北星学園大学 大学・短大部共通   学長
■ 標題
  中国文化要素が配慮された社会的スキル・トレーニングプログラムの効果:中国人大学生の自他評価からみた意識と行動の変化を中心とする検討
■ 概要
  本研究の目的は、中国文化に配慮した社会的スキル・トレーニング(SST)プログラムが参加者の対人関係の意識と行動の側面に与える影響を自己評価・他者評価により検討することである。中国人大学生39名(男性20名、女性19名)をランダムに実験群・統制群に振り分け、実験群には先行研究で開発されたSSTプログラムの短縮版を実施し、統制群にはSSTとは関係ないゲームのプログラムを実施した。トレーニングの前後に参加者と実験協力者との間で行われた会話実験の様子を、トレーニング後に他の大学生に見せる観察実験を行った。その結果、①初期低得点実験群には、中国文化と文化共通(日中それとは?)の社会的スキル自己評価尺度の得点が上昇した。また、②参加者の会話実験時の行動についての自他(参加者自身、実験協力者、そして観察者)評価尺度のいずれにおいても実験群の社会的スキル得点が上昇した。①の結果により、プログラムに取り入れた文化的要素による文化的、社会的スキルの向上効果は参加者の評定結果から確認できたと考えられる。②の結果により、本研究で考えたSSTのプログラムは参加者自身の意識の側面だけではなく、従来の研究で欠落していた対人的な評価の側面についても効果があると考えられる。
   共著   社会心理学研究   32巻1号   pp.21-40   2016/08