ヤナギマチ トモハル
  柳町 智治   文学部 英文学科   教授
■ 標題
  CEFR/JFスタンダードにおける言語ポートフォリオの意義:日常的実践の相互行為分析の結果から
■ 概要
  本稿では、まず、日本の大学院留学生が研究室やアルバイト先で指導教員や同僚とやりとりする場面のビデオデータをもとに、教室のソトにおける日常的な実践が当事者間で共同的に構築されている様子をデータの微視的分析を通して示した。次に、教室のソトにおける実践の具体的な様子を理解することがCEFR/JFスタンダードの運動に対して与える示唆について検討した。
 CEFR/JFスタンダードの能力記述文は、評価の基礎を人々の言語知識でなく言語行動に据えている点や汎用性の高い教育的ツールである点において非常に有用である。一方で、上記ビデオデータの分析が示す、人々の現実の言語活動、特にその場面依存的で相互行為的な側面を評価に反映させることは容易ではない。その意味で、「ヨーロッパ言語ポートフォリオ」(ELP)に代表されるような言語ポートフォリオは、当事者の実際の言語体験の記述と内省を推進する点において極めて重要であり、CEFR/JFスタンダードの運動においてより中心的な役割を与えられるべきであると考えられる。
   単著   2014/03