ウラノ マリコ
  浦野 真理子   経済学部 経済学科   教授
■ 標題
  民主化時代の森林開発と農民の土地保有権
■ 概要
  アジアやアフリカの発展途上国で民主化と地方分権化が進展し、農村共同体の土地・資源に対する慣習的な権利を認める動きが強まっている。世界銀行などの国際機関もこうした動きを支持する土地政策に転換し始めた。インドネシアでも過去10年以上にわたり民主化と地方分権化が進展し、森林地域住民の土地に対する慣習的な権利を認める地方条例の実現や、法令に至らないまでも行政的措置がとられるなどの事例がみられる。しかしこうした政策が、有力者による資源処分に関する独占的な決定や、あとから移住してきた住民の土地・資源利用からの排斥や民族間の対立を引き起こし、結果的に地域住民の権利強化と福祉の向上につながらない事例も多く見られる。
この論文のデータは、2008年―2010年の間、数週間ずつ5回にわたりインドネシア東カリマンタン州東クタイ県の2つの集落で行ったインタビューと参与観察にもとづく。木材伐採に代わり大規模な油ヤシ農園が急激に拡大している同地域を事例とし、民主化と地方分権化の動きが、農村共同体の慣習的な土地と資源利用への権利にどのような影響を与えているのかを検討した。またこの結果を踏まえ、森林地域農民の土地権を強化するためどのような方策が必要かを、他の国々の事例に関する研究文献を用い検討した。
   単著   インドネシアニュースレター   日本インドネシアNGOネットワーク   94号   2011/02