アベ マサヒト
  安部 雅仁   社会福祉学部 福祉計画学科   教授
■ 標題
  カイザー・パーマネンテの新しいマネジドケア
-民間医療システムとしての「KP HealthConnect」の意義
■ 概要
  マネジドケアは、アメリカの医療保障における基本システムとなっており、その拡大・定着過程において医療が効率化され、一時的にせよ無保険者率の上昇が抑制された。しかし、こうした成果は次第に薄れ、1990年代後半には、国民の受診機会格差の拡大が大きな社会問題にもなった。これに対応する方法の一つとしてカイザー・パーマネンテは、2002年以降、「KP Health Connect」といわれるプログラムを構想・導入している。最大の特徴は、セルフ・ケアを保障プランの対象とすることにある。具体的には、医師と加入者が電子医療記録を共有・管理した上で、電子メールと電話によりセルフ・ケアの情報交換が行われる。電子医療記録には、各加入者の健診結果、治療の内容と経過(検査の動画等を含む)および担当医のアドバイスがそれぞれ記録される。KP HealthConnectの目的は、医師と加入者間での「情報の非対称性」を抑制して、医療の効率化と成果の向上をはかり、これにより加入者を拡大しようとすることにある。
   単著   『海外社会保障研究』   国立社会保障・人口問題研究所   No.187   pp.58-73   2014/07