ミヤザキ ヤスシ
  宮崎 靖士   社会福祉学部 共通部門   教授
■ 標題
  太宰治『津軽』論-方言《翻訳》と回帰不能性を検討の軸として-<再録>
■ 概要
  この作品の価値が、標準語・津軽弁/家・使用人の何れかにも「私」を帰属させない語りの戦略にあることを明らかにした。そのために、①「たけ」の二言語混淆的な発話記述に示される、〈方言〉へ接近しつつそれとの距離をも担保する語りの指向と、②「読者をだましはしなかつた」という一節が端的に示す、物語内容を使用人との同一性確認へと一元的に収束させない傾向を論証し、③それらが、美化した故郷の表象に対する作者の自己批評であると同時に、回帰や帰属という概念の成立基盤そのものを問い直す視点を提示し得ていると論じた。
   単著   日本語学論説資料   論説資料保存会   第37号第4分冊   pp.195-206   2002/10