ミヤザキ ヤスシ
  宮崎 靖士   社会福祉学部 共通部門   教授
■ 標題
  「津軽」と松尾芭蕉「行脚掟」、橘南谿「東遊記」
■ 概要
  本論では、太宰治『津軽』に認められる、「行脚掟」と『東遊記』との関わり方を論じた。まず、「行脚掟」については、大正中期以降の研究動向において主流となった「偽書説」の動向とは異なり、このテキストから芭蕉の意図を読み取り、その上でそれに批判的に関与する傾向が認められた。更に『東遊記』については、そこに認められる本州北端の地の表象をふまえつつも、それとは異なる現在の津軽地方の姿を効果的に強調する指向を確認した。そのような古典文学テキストへの関わり方は、古典に対する他者性を保持する点で、当時の日本浪曼派における古典受容と比較して、独自な価値をもつ。
   単著   太宰治研究   和泉書院   21号   pp.104,113   2013/06