ミヤザキ ヤスシ
  宮崎 靖士   社会福祉学部 共通部門   教授
■ 標題
  一九三九~四二年における「満人作家」の日本語訳テキストがもつ表象傾向とその意義
――「満洲」に関する日本語文学研究への一視点として――
■ 概要
  本論では、一九三九~四二年に「満洲」、及び「日本」の「内地」で発表された、「満人作家」における日本語訳テキストのうち、特に小説を検討の対象とした。そして各テキストの内容の類型化を試みる一方で、日本語訳テキストをめぐる三つのステークホルダーとの関わりを検討した。類型化に関しては、従来の「満人作家」のテキストに対する典型的な評価である「暗さ」に対応する類型が認められる一方で、それとは異質な類型も確認できた。合計で五つに細分できる類型は、日本語訳テキストがもつ性格を単一ならざる曖昧なものにしており、しかしその点が日本語訳テキストの生産と享受を継続させていたと考えられた。と同時に、その曖昧さが、日本語訳テキストをめぐる各ステークホルダーに一定の利益を与え得るものであることも考慮するとき、日本語訳テキストは、ステークホルダー間における「公共領域」としても意義づけられる。
   単著   北星学園大学文学部北星論集   北星学園大学   第55巻第2号   pp.140-116   2018/03