ミヤザキ ヤスシ
  宮崎 靖士   社会福祉学部 共通部門   教授
■ 標題
  谷崎潤一郎『卍』(初出稿)におけるテキストの生成と変容-昭和初年代の〈方言〉使用と〈他者〉認識-
■ 概要
  この作品の初出連載過程での、文体と内容にわたる変化を、物語世界内語り手「園子」における他者の言葉=〈方言〉へのスタンスの変遷として明らかにした。そのために、①「園子」の語りへの間接話法的な関西弁の取り込みが、話者の言葉への、過去の他者の言葉の不可逆な混成をもたらすことと、②そのことが話者に時間や自他の境界の大きな揺らぎをもたらしつつも、③その上で改めて他者の言葉がもつ均質化し得ない異質な要素が顕在化され、「園子」自身の変化を通じた、他者に対する新たなスタンスが実現される旨を論証した。
   単著   日本近代文学   日本近代文学会   第67集   pp.70-84   2002/10