タザワ ヤスヒロ
  田澤 安弘   社会福祉学部 福祉心理学科   教授
■ 標題
  多元的ブリーフセラピーが気分および感情に及ぼす静穏効果の検討-個別的な介入研究のこころみ
■ 概要
  本論は、私設心理相談室に来談したクライエントについて短期療法の成績を分析した介入研究である。第一研究では、クライエントを時間制限短期療法である多元的ブリーフセラピーに導入し、インテーク、最終セッション、フォローアップの際に、STAIとPOMSを計3回実施した。その結果、フォローアップの時点で、STAIの特性不安に「大」(d=1.19)、POMSの6変数に「中」から「大」(d=0.64~1.56)の効果量がそれぞれ認められた。第二研究における分析対象は、MMPIを用いて精神病理学的な重篤度によって群分けしたものである。結果として、STAIとPOMSの7変数に関して、正常群は「小」から「大」(d=0.30~1.20)、軽度群は「中」から「大」(d=0.55~1.68)、中等度群は「大」(d=0.94~1.85)、重度群は「大」(d=1.59~3.49)の効果量がそれぞれ認められた。第三研究における分析対象は、上記の諸変数についてインテーク時に逸脱値を示した高得点者である。フォローアップの時点で、POMSの活気と疲労を除く5変数に臨床的に有意な静穏効果が認められ、全7変数について効果量はd=1.22~1.88、改善率は60.00%~80.77%にわたった。
   共著   北星論集   第55号   pp.57-78   2018/03