マジマ ヨシマサ
  眞嶋 良全   社会福祉学部 福祉心理学科   准教授
■ 標題
  疑似科学問題を通して見る科学リテラシーと批判的思考の関係
■ 概要
  批判的思考は,適切な基準に基づいて合理的な判断を下すための態度とスキルを包括する概念として,二重過程理論における分析的処理(システム2)との関連が指摘されており,科学リテラシーの獲得においても重要な役割を果たすことが期待されている。科学リテラシー教育を考える上で重要な問題の一つである疑似科学について,疑似科学に対する信念の強度は,知能や学業成績等の一般的認知能力よりも,推論課題におけるバイアスと関連することが指摘されている。本稿では,疑似科学的な信念の信奉者と非信奉者の差異,批判的思考と疑似科学的信念の関係や,批判的思考の教育効果を検証した研究を概観し,信念の獲得,維持と解消の背後にある認知過程について,二重過程的処理と認知バイアス,批判的思考の影響という観点から議論を整理した。さらに,疑似科学問題に対して,批判的思考研究がどのように貢献できるか,将来の研究の方向性についても議論した。
   単著   認知科学   第19巻1号   pp.22-38   2012/03