カツムラ ツトム
  勝村 務   経済学部 経済学科   准教授
■ 標題
  文化経済学とマルクス経済学
■ 概要
  マルクス経済学の批判的性格は文化経済学の問題意識に通じる。芸術と余暇・労働の関係、階級意識、コード共有の発展・消滅のモデルとしての価値形態論が文化と関連。社会的再生産には文化の継承・発展が含まれ、文化的条件は生活費賃金を通じて資本蓄積を阻害する一方、享受能力 陶冶は文化への需要を掘り起こし資本主義を延命させる。非営利部門の拡大は社会的労働編成や景気循環を変容させる。ベーシックインカムは「ボウモルのコスト病」(有機的構成の高度化の問題に類似するが任意加増財か否かの相違に注意が必要)の消極化や時間感覚の変容を通して文化享受に影響する。芸術・スポーツ系NPOの「みる・する・支える」という多様な関与の諸契機は需給二分法を超える射程をもち、そのミッション志向企業という性格は価値概念の本来的多義性に通ずる。実現の契機を重視する客観価値説は固有価値論・享受能力論により深化が期待できる。
   単著   政策科学学会年報   政策科学学会   第7号   pp.55-67   2017/12