ナガヤ ユキヨ
  長屋 幸世   経済学部 経済法学科   教授
■ 標題
  民事訴訟に見る手続的正義―最決平成23年4月13日を参考に―
■ 概要
  民事訴訟法においては「手続保障」という観点が重要であるところ、文書提出命令に関する最高裁平成23年4月13日決定において、最高裁は「手続的正義」という文言を用いて民事訴訟における手続保障について述べている。従来、裁判所の判決文等において、手続保障あるいは手続的正義という文言が直接的に用いられてその意義や有無等が指摘された例は殆どなく、それらの相違や関連性、民事訴訟における各機能等は明らかではなかった。以上を踏まえ、本稿は、①「手続的正義」に対し正義論や裁判の正統性という観点から分析することで、民事訴訟における「手続保障」との関連を明らかにし、②民事訴訟における「手続保障」の内容や機能を分析することで、手続保障の基準可能性を検討する。その上で、③(その明示の有無を問わず)「手続保障」を検討した裁判例の分析により実務における「手続保障」の考え方を探り、④最決平成23年が「手続的正義」を用いた意図を分析しながら、民事訴訟における「手続保障」と「手続的正義」の相違を指摘した。
   単著   北星論集   第52巻2号   pp.113   2013/03