ヤマガ テツオ
  山我 哲雄   経済学部 共通部門   教授(嘱託)
■ 標題
  ナタン預言の成立
■ 概要
  旧約聖書サムエル記下7章のいわゆる「ナタン預言」は、後のメシア思想とのかかわりでも重要なテキストであるが、この論文ではこのテキストが、長期間にわたる段階的な加筆編集の所産であることを編集史的に明らかにすることを試みた。結論として、ナタン預言のテキストは、ほぼ以下の5層に区分できる(古い層から新しい層へ)。それらが順次書き加えられて、現在の複雑なテキスト全体が成立した。
  (1)ダビデ王によるエルサレム神殿建設の可否をめぐる論争(ダビデ時代)
  (2)ソロモン王による王位継承と神殿建設の正当化(ソロモン時代)
  (3)ダビデ「王朝」の永遠の存続の主張(分裂王国時代)
  (4)他のダビデ物語との有機的結びつけ(初期申命記史家、王国時代末)
  (5)ヤハウェの民としてのイスラエル民族全体の運命への関心(後記申命記史家、捕囚時代)
   単著   『経験としての聖書-大貫隆教授献呈論文集』(聖書学論集41)   日本聖書学研究所   第41号   pp.pp.13-32   2009/03