アキモリ ヒロシ
  秋森 弘   経済学部 経済法学科   教授
■ 標題
  マクロ経済データ、国債現存額の増減が国債利回り曲線に与える影響について
■ 概要
  イールドカーブのスティープ化は、通常、景気回復局面でみられる現象であるが、財政状態への懸念によっても長期国債価格の下落を通じてこれが起こる可能性がある。そこで、マクロ経済動向と国債現存額の趨勢がイールドカーブの形状に与える影響について分析を行い、最近の日本国債市場でみられるイールドカーブのスティープ化がどういった要因によって起きていたかについて考察することとした。手順としては、①国債流通利回りからイールドカーブを推計、②イールドカーブの動向に主成分分析を適用、③抽出された各主成分得点を各種マクロ経済データから抽出した共通ファクターと国債現存額の趨勢データで回帰分析した。その結果、国債現存額の増勢ペースの高まりによってイールドカーブのスティープ化が認められるが、各主成分固有ベクトルが標本期間を通じて安定的であることから、国債市場に財政悪化懸念による構造変化は今のところ起きていない、との結論を得た。
   単著   北星論集   第52巻第1号   pp.39-51   2012/09