オオシマ スミコ
  大島 寿美子   文学部 心理・応用コミュニケーション学科   教授
■ 標題
  がん検診の受診態度に文化が与える影響:乳がん、子宮がんを対象にした文献レビュー
■ 概要
  日本人女性のがん検診受診率に文化や価値観が与える影響を明らかにするための予備的検討として、乳がん及び子宮がん検診の受診態度に文化や価値観が与える影響に関する英語文献のレビューを行った。乳がんについては検診方法としてマンモグラフィー、子宮がんについては子宮頸部細胞診を対象とし、1990~2008年のOvid Medline、CINAHL、PsychINFOを用いて文献検索を実施した。検索により得られた67件の文献について、受診態度に影響を与える文化や価値観を抽出して分類し、記述的に考察した。その結果、「がんの予防に関する悲観的な見方」「がんの罹患を運命や神の仕業とする見方」などを内容とする<宿命論>、「性を神聖視する価値観」「性をプライベートなものとする見方」などからなる<性に関する慣習や文化>、「家族を優先する見方」「家族のために自分がいるという考え」などを内容とする<家族に関する文化>、「自分の健康は自分で守るという見方」「検査をしたり話をすることが病をもたらすという考え」などからなる<健康と医療に対する価値観>の4つのカテゴリーが抽出された。エスニックグループにより検診受診率に差があり、その要因として文化や価値観が何らかの影響を与えている可能性が指摘されていることから、今回見いだされた4つのカテゴリーにみられるような文化や価値観と日本人女性の検診態度との関連について研究を進める必要性が示唆された。
   共著   北海道公衆衛生学雑誌   北海道公衆衛生学会   第23巻(第2号)   pp.56-66   2010/04