タカノ ショウジ
  高野 照司   文学部 英文学科   教授
■ 標題
  絵描写タスクにみる音調変異の考察
■ 概要
  Takano & Ota (2007) および太田・高野 (2007) では、有核アクセントをもつ単語で構成される単文読み上げにより収録した音声データを元に、音調の産出と知覚の両面から検証を行った。その結果、(1) 老年層の発話の音調句(IP)は語アクセントのピッチピークがある程度保持されて山なりの音調になるのに対し、若年層の発話ではIPの句頭以降のピッチが急速に弱化して平坦な音調になる傾向がある。 また、若年層の音調に大きな地域差は見られない、(2) 同一話者の発話でも、IP中の語アクセントのピッチピークが顕著な方が、話者の年齢は上だと判断される傾向がある、などがわかった。しかしながら、これらの結果は「読み上げスタイル」だけによるものであり、「読む」という行為が発話の産出に影響を与えている可能性は否定できない。そこで本稿では「文を読む」のではなく、内容が連続した6コマの絵を見せてその説明を行うという「絵描写タスク」により収録した音声データを分析し、 著者らの先行の研究で得られた結果がひとつの発話スタイルによるものではないことを示す。
   共著   人文学科論集   鹿児島大学法文学部人文学科   第67号   pp.1-14   2008/03