タカノ ショウジ
  高野 照司   文学部 英文学科   教授
■ 標題
  A Quantiative Study of Gender Differences in the Ellipsis of Japanese Postpositional Particles -Wa and -Ga : Gender Composition As A Constraint on Variability
■ 概要
  この論文は2つの研究課題をもって書かれた。第一は、これまでの日本語学では「不規則」とみなされてきた助詞「は」「が」の省略をヴァリエーション理論の枠組みで再検討し、その規則性(言語規則)を発見すること。第二に、助詞の省略は女性語の特徴、または、女性語においてより多く見られる現象としたShibamoto (1985,1987,1990)等の主張を、これまでなされていない統計的データ処理とBell (1984)のAudience Design の理論を念頭に再検討を加えることである。分析の結果、助詞の省略はその助詞が使われる言語構造的環境、話される話題と話し手のその話題に対する心理的態度、話し相手の性別、会話における男女構成、会話のなされる環境などの要因によって規則的に説明されることが明らかになった。また、女性の方がより頻繁に助詞を省略すると言うこれまでの主張は同性間での会話にのみ言えることであって、男女混合の会話では、男性話者も女性話者も互いの省略頻度への歩み寄るという発話の応化が観察された。
   単著   Language Variation and Change   Cambridge University Press   第10巻3号   pp.289-323   1998/12