ナカタ トモオ
  中田 知生   社会福祉学部 福祉計画学科   准教授
■ 標題
  ソーシャルキャピタルと生活困難の関連-マルチレベルモデルを用いた分析から-
■ 概要
  本研究の目的は、地方居住者のソーシャルキャピタルと生活困難、生活不安、そして生活満足との関係を実証的に検証することである。地方が疲弊していると言われて久しいがその解決策は未だに出ていない。しかし、ソーシャルキャピタルは特効薬といわれている。
 2010年夏に東北地方ある町で行われ、771票を回収した調査データを用いた。用いた従属変数は、生活困難事項、生活不安、生活満足である。独立変数は、ソーシャルキャピタルとして地域への信頼、近隣でのつきあい、そして地域組織活動を用いた。その他に、個人の性別、年齢、居住年数、教育年数、従業上の地位、婚姻上の地位、健康満足度などの変数を用いた。分析には集落間の差異を勘案するためにマルチレベル回帰分析を用いた。
 まず、いくつかの従属変数に対してソーシャルキャピタルは効果を持っていることが示された。特に、地域への信頼は生活満足度を押し上げ、また、近隣のつきあいは「インフラの訴求」因子に対して正の効果を持っていた。
 最後に、回帰モデルの切片や傾きの分散が有意であることから、集落間の差異が認められた。しかし、これについては要因を特定することができなかった。
   単著   北星論集   北星学園大学社会福祉学部   第48号   pp.59-69   2011/03