アベ マサヒト
  安部 雅仁   社会福祉学部 福祉計画学科   教授
■ 標題
  カイザー・パーマネンテの「患者参加型の医療」ITプログラム
―My health managerの目的、方法および成果
■ 概要
  医療IT化の基本目的は情報の有効活用にあり、その成果は特に電子記録の共有範囲と活用方法により規定される。いくつかの先進国の動向を概観する限り、情報活用における患者の参加機会は限定的であり、IT化と患者の関係が不明瞭になっている。
アメリカのカイザー・パーマネンテは、“My health manager”と言われるITプログラムを導入している。これは、患者(加入者)が健康維持と医療に参加する方法の一つとして電子記録と遠隔診療を活用するプログラムであり、電子記録を共有する担当医のアドバイスがなされる。主な目的はセルフケアとプライマリケアの成果向上にあり、担当医の定額報酬の他に、成果に応じた報酬と保険料割引の各制度が用意されている。
わが国では患者への情報開示を想定するITモデルとして「どこでもMY病院」構想が提唱され、導入までの「工程表」が示されているが、電子記録の共有範囲と活用方法は必ずしも明らかではない。My health managerは「どこでもMY病院」構想の課題と方向を考える参考事例の一つとして有用である。
   単著   『社会保障研究』   国立社会保障・人口問題研究所   Vol.3 No.2   pp.299-313   2018/09