ミヤザキ ヤスシ
  宮崎 靖士   社会福祉学部 共通部門   教授
■ 標題
  「雀こ」と内田邦彦『津軽口碑集』
■ 概要
  本論では、従来『雀こ』の「典拠」の一つとして理解されてきた『津軽口碑集』に注目し、両テキストを、津軽地方の口頭伝承をどのように採録したかという観点から比較することを試みた。すると、『津軽口碑集』においては、大正期コスモポリタニズムを背景とする、本州北端における古式を残した習俗への関心が窺われた一方で、『雀こ』からは伝承の文句やわらべ歌がもつリズムへの傾倒が確認できた。そのようなリズム指向は、『雀こ』の場合、近代小説の「語り」の成立機構の問い直しというモチーフを伴っていると考えられる一方で、昭和初年代における柳田国男の昔話論における着眼点とも共通性を認められる点が注目される。
   単著   太宰治研究   和泉書院   17号   pp.68-78   2009/06