ミヤザキ ヤスシ
  宮崎 靖士   社会福祉学部 共通部門   教授
■ 標題
  井伏鱒二『言葉について』の「訳述」をめぐって-小説における方言《翻訳》-
■ 概要
  この作品の語りが、自らとは異質な言葉(例えば〈方言〉)を日本語の範疇に取り込むとともに、それを標準語的な文体に従属する言葉として価値づけていくという、近代小説の語りが含む機能を寓意的に表象していることを明らかにした。そのために、①作中でくり返される、話者による作中人物の発話(=〈方言〉)の解釈に含まれる独善性と、②作中人物の描写からやはり同様に見出される、話者の価値意識の偏向を検証し、そのような語りの傾向が、語り手が担う作中の他者の言葉に対する権利性を、読み手の前に露呈する機能をもつことを論じた。
   単著   昭和文学研究   昭和文学会   第44集   pp.137-149   2002/03